パーティナイト

今日はとても長い。
夜中の一時から物語が始まる。僕は一時に明大前のCAFE BAR LIBREという店に行って、朝の六時から始まる試合を待ったのだ。このバーは一年前にも行ったことがあって、よく覚えていた。ついてもお客さんも少ないし、微妙な雰囲気の中でよくわからないお酒を注文してサッカー中継を見たりマスターが流してくれるDVDをずっと見たり寝たりしてた。


5時近くになると、(始発があるので)常連さんなんかが入ってきて満員になった。
ほとんどがバルセロナ応援する人たちなんだろうな。実際、多くの人がバルセロナのユニフォームを着ていた。(マスターもそうだし)ここ以外に、もうひとつ恵比寿のスポーツバーがあって、そっちにも集まろうという話を見たのだけどそこまで大きくないお店に120人以上の人が「行きたい!」と要請があったみたいなのでどうがんばっても立って(しかもよく見えない位置で)見るしかないなーと思ってやめた。今回はファンとの交流よりもバルセロナが実際にレアルとどんな試合をして(そして、どんな風に勝つのか)を見たかったんだ。

みんなが集まってきた1時間くらいあとにマコトとティルが合流して一緒に試合を観戦した。ちなみにバーはやっぱり単なるバーで、めちゃめちゃお腹が減ったからカレーを頼んだらなんと具のないカレーを出した。ご飯も少ない。ここに行く前にコンビニとか「なか卯」でお腹いっぱいにしていくべきだった。続々と「期待だねー」とバルセロナ仲間からメールが届く。一応解説しておく。なぜこの試合がそれほどまでに重要なのかというと、バルセロナレアルマドリードというのは独特な地域性によって対立してきた歴史がある。まずスペインといえどもバルセロナカタルーニャ地方という文化をもち、しゃべる言葉もいわゆるスペイン語とは違う。スペインはこうした独特の文化をもつ多文化国家なのだ。それぞれの独立心も強い。


そして、フランコ将軍という人がマドリードの政権に立った時にそれらを弾圧し「カステジャーノ」しかしゃべったらダメ!!と弾圧したのだ。当時フランコレアルマドリードを政府お抱えクラブとして世界中にその強さを誇示していた。つまりこのレアルマドリードを叩きのめすことだけが、公にカタルーニャ地方の人々の胸をすかっとさせることができたのだ。またこのスタジアム内だけは、カタルーニャ語を話すことができた。


それだけでなく、この対戦は「クラシコ」(伝統の一戦)と呼ばれ非常にそれぞれのサポーターの思いをぶつける熱い対戦であると同時に、スペインを代表する2大人気クラブ(いまでこそ、バレンシアラコルーニャも人気を博しているが)の対戦でもある。その年の順位がどうであれ、この対決は全力をもって望む対決であり、タイトルが取れなくてもレアルに勝てばよいと考えるサポーターさえもいる。今年は首位のバルセロナと2位のレアルマドリードとの直接対決の場でもあった。


結局、それぞれの素晴らしいパフォーマンスと共に主導権争いが始まる。フィーゴのドリブルは冴えていたけれど、それ以外の選手のパフォーマンスはいまいち。対するバルセロナはサポーターの後押しを受けて全員が素晴らしい連携で、よく走り、ビジターチームを圧倒。結局、レアルのミスをついたエトオが得点し、その後に素晴らしい連携でファンブロンクホルストが追加点を奪う。レアルのゴールチャンスは少なくなっていき、逆にどんどんバルセロナの攻撃が迫力を増していく。そして、後半にふたたびエトオが単独のドリブル突破を試み、これがファールを誘ってPK。これをロナウジーニョがきっちり決めて3−0。
完封勝利で、内容でも圧倒したクラシコはもうほとんど久しぶり。去年の途中まではバルセロナが調子を悪くしていて、その後に復調したから拮抗した試合だった(第一戦はレアルが圧倒して勝利、第二戦はバルセロナが勝利)

すばらしいゲームをみた時というのはすごく興奮してしまう。



その後、家庭教師のお宅でいろいろな人を呼んだボージョレーパーティが催され、帆立貝やチキン、鶏首肉、パスタがすごくたくさんあって満腹。満腹。めっちゃ満腹。
あんまりよく知らなかった家庭教師の子の親戚たちと友達になった。
満足。