愛国心

たまにここに感想をよせてくれるワイタ君のBlogに「愛国心にだまされるな」という意味のメッセージがあった。先日の北朝鮮戦についてコメントしたものだ。

ワイタくんと僕はまったくバックグランドが違うので、それを考慮しながら自分の考えを書いてみようと思う。


ワイタくんの意見は「代表チームは応援に値せず、クラブチームこそが最強であり日本が(特に三都主)国家を歌うのはおかしい」というものだ。クラブチームというのは地元出身の若手と能力のある外国人選手によって構成されていて、一年をかけてその熟成をはかっているから代表チームより強いのは当たり前であるというのだ。

しかしこれを一般意見としてとらえると少し適切でないというか、不自然な気がする。
まず日本というのは単一民族であり、一つの島国であるということ。スペインは地方ごとに独特の特色がありカタルーニャ地方やバスク地方など独立を叫ぶものもあり、自然と代表チームは「〜出身」とカテゴライズされてしまう。ついでにいえば、ほとんどバスク人が呼ばれたためしがない。先日の試合では「カタルーニャはスペインではない」という横断幕がスタジアムに張られて主張していた。


スペインは非常にサッカー文化が根付いており、それぞれの地方からまんべんなく選ばれるというよりは監督の好みによって一部の地方から大量に呼ばれることが多い。これによって、ある地方からみたら「スペイン代表」が本当に自分たち国の代表と思えないことが多いということだ。
そもそもこれだけ才能ある選手が育っている国の代表がこれほど実績を残せていないのは珍しい。長年にわたって「スペインは実力はありながら、タイトルには無縁」ということで、2004年でもまたどうしようもない結果に終わった。


愛国心とはまた別の意見だが、攻撃的に何点もとるサッカーを至上とする国がトーナメントに弱いのはある程度必然。結果がついてこないチームは応援する人が少なくなっていくだろうし、それだけでなく仮初めの「代表チーム」であったなら本当に愛想をつかしてもおかしくない。


逆に日本人はある程度一つの国としてまとまっており、さらにいうならクラブチームもそれほど地域密着であるケースは少ない。クラブチーム大好きという人はいるだろうが、サッカー文化もまだスペインほどに根付いているとはいえない。だからリーグ戦はがら空きだけど、スターを集めた代表チームの試合は毎回満員ということが起きる。スターだけを集めればいいかというと、実はそうでもないのだが。